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今回は、社会保険の適用拡大に伴う人手不足を懸念している医院からのご相談です。
当院の職員数は、現在65人です。2024年10月から社会保険の加入基準が見直され、週20時間以上働くパート職員が社会保険に加入することになると聞いています。
配偶者の社会保険の扶養の範囲で働くために、週20時間未満で働くことを希望するパート職員が多くなると、人手不足が深刻化します。パート職員へどのような説明を行えばよいでしょうか?
加入対象となるパート職員に、できるだけ早めに社会保険に係る制度を説明することが必要です。
その際、加入による手取り額や社会保険に加入するメリットも説明し、社会保険への加入希望とともに、今後の働き方(労働時間や雇用形態等)の希望も確認しましょう。
2024年10月の社会保険の適用拡大により、職員数が51人以上の事業所では、現在社会保険に加入しているパート職員に加え、以下の@〜Cのいずれにも該当するパート職員が、社会保険に加入することとなります。
なお、この職員数とは厚生年金保険の被保険者数をいいます。
社会保険への加入はパート職員の考えによりますが、社会保険料の負担が大きいといった理由から、@の基準に該当しないように、週の所定労働時間を20時間未満にする、いわゆる「就業調整」を行うパート職員が発生することがあります。その結果、医院としては人手不足の状態に陥る可能性があります。
人材不足の環境の中、就業調整をできるだけ避けるためには、社会保険の加入によるメリットを説明し、理解してもらうことがポイントになります。
例えば、ケガや病気で一定期間働けず仕事を休んだときに「傷病手当金」が受け取れることや、産前産後休業期間中に「出産手当金」が受け取れることなどが挙げられます。
これらに加え、社会保険料の負担による手取り額の減少を埋めるために、労働時間の延長による収入の増加の提案や、医院として中長期的に働いてほしい職員に対する、正職員への転換の提案も考えられます。
採用面やシフトなどの労務管理への影響も考えると、早めに社会保険に加入することになる対象者を把握し、労働時間や賃金等について話し合うことが重要です。
厚生労働省が開設する「社会保険適用拡大特設サイト(※)」にある、職員向けのチラシ、手取りや年金額の変化を知ることができるシミュレーションなど様々なツールを利用して、早めにパート職員に説明しておきましょう。