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今回は、11月13日に開催された財務省の財政制度分科会による提言の内容に注目します。
医療提供体制、特に、医師数の適正化や偏在対策として、改革の方向性案がいくつか示されました。その中から、特に医療機関経営への影響が大きいと考えられる内容を、いくつかご紹介します。
提言:病院勤務医から開業医へのシフトを促すことのないよう、診療報酬体系を適正化
ここでは、厚生労働省の分科会における委員の発言が引用されていますので、抜粋でご案内します。
「どこの場所で働いている医師が足りないのかというと、病院で働いている医師が足りないのです。今、病院は、病院数も減り、ベッド数も減っているのにもかかわらず、開業医の先生、診療所は毎年増えています。減らないのです。開業医の方が減って困るという話はあまり聞こえてきません。
(略)
日本の人口は1億2,000万ですね。2,000で割ると6万か所のかかりつけ医の診療所があれば、いわゆる診療所としてのかかりつけ医機能は果たせるのです。とすると、今、10万か所あれば4万あまるのですよ。4万人の方が病院に勤めてもらえば、かなり病院の勤務の不足は解消されるのです。」
提言:診療所の偏在是正のための地域別単価の導入
医師の地域間、診療科間、病院・診療所間の偏在是正のために、経済的インセンティブ措置として地域別診療報酬を検討する必要性を提言するものです。具体的には、報酬点数×1点あたり単価(10円)となっている診療報酬について、診療所不足地域と診療所過剰地域で異なる1点あたり単価を設定する案が示されました。
なお、当面の措置として、診療所過剰地域における1点当たり単価(10円)の引下げを先行させ、それによる公費の節減効果を活用して医師不足地域における対策を別途強化することも考えられる、と示されています。
提言:特定過剰サービスに対する減算措置の導入
医師少数区域での勤務を促すとして、診療報酬上でディスインセンティブ措置を組み合わせるという提言です。具体的には、ある地域の特定の診療科に係る医療サービスが過剰であると判断される場合に、その医療サービスを「特定過剰サービス」として減算の対象とする案となります。
上記の他にも数多くの改革の方向性案が示されています。同分科会資料は、以下のサイトでご確認ください。
[参考]
財務省「財政制度分科会(2024年11月13日開催)」