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持分あり医療法人から持分なし医療法人に移行する際に生ずる税金について、納税猶予等の制度が設けられています。この制度が令和8年度税制改正により、3年延長されました。
厚生労働省から公表されている「種類別医療法人数の年次推移」によると、2026年3月31日現在において、医療法人数は総数で59,893法人あり、うち、
となっています。
持分あり医療法人は、2008年の43,638法人をピークに徐々に減少しています。
これは、2006年の医療法改正による影響です。
2006年の医療法改正では、医療法人の非営利性をより徹底することを目的として、2007年4月1日以降、「持分あり医療法人」の新規設立が認められなくなりました。その後、2014年の医療法改正により「認定医療法人制度」が創設され(2014年10月1日施行)、「持分あり医療法人」が「持分なし医療法人」へ移行するための計画を策定し、その内容が適当と認められた場合には、厚生労働大臣の認定を受けるとともに、税制上の優遇措置を受けられるようになりました(下図@A)。これを、「医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置(以下、特例措置)」といいます。
さらに、2017年10月には、出資者が持分を放棄した際に医療法人へ課されるみなし贈与税を非課税とする措置(下図B)が導入されたことなどを背景に、認定医療法人制度の活用件数は増加していると厚生労働省は述べています(「令和8年度 税制改正の概要(厚生労働省関係)」)。
本来、この特例措置は2026年12月31日が適用期限でした。
しかし、「持分なし医療法人」への移行は着実に進んでいるものの、現在も移行を希望する医療法人が一定数存在しているとして、厚生労働省は特例措置の適用期限を3年間延長することを要望し、これが認められたことで、適用期限は2029年12月31日となりました。
なお、この場合における適用期限とは、認定医療法人として認定を受ける期限をいいます。つまり、「持分なし医療法人」への移行を検討する医療法人は、2029年12月31日までに、一定の要件を充足したうえで、移行計画を提出し、厚生労働大臣の認定を受ける必要があります。この認定を受けた医療法人は「認定医療法人」として、特例措置を活用することができます。
まだまだ多くの持分あり医療法人が存在しています。特例措置が3年延長されたことで、今後どのように推移していくでしょうか。
[参考]
厚生労働省HP
「種類別医療法人数の年次推移(令和8年3月31日現在)PDF」
「持分の定めのない医療法人への移行計画の認定申請について(認定医療法人)」
「持分の定めのない医療法人への移行計画認定制度(認定医療法人制度)の概要 PDF」
財務省HP
「医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置の延長 PDF」