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[相談]
私は昨年、個人で衣料品販売店を開業しました。
同時に、生計を一にする妹(年齢20歳)をパートタイム従業員として雇用し、青色事業専従者としての届け出を行ったうえで給与を支払っています(届出給与額月額80,000円)。
しかし、今年に入り、売上が当初見込んでいた金額の半分程度となってしまったため、妹との話し合いの結果、今年の4月末で妹は当店を退職し(令和8年1月分から4月分までの青色事業専従者としての給与額の合計は320,000円)、5月から他社でパートタイマーとして勤務することとなりました(妹の令和8年中の他社からの給与収入見込額は、640,000円です)。
この場合、妹は私の令和8年分所得税の控除対象扶養親族となることができるのでしょうか。教えてください。
なお、妹には上記の給与以外には、所得は一切ありません。
[回答]
今回のご相談の場合、妹さんは令和8年中に青色事業専従者としての給与の支払を受けておられることから、ご相談者の令和8年分所得税の控除対象扶養親族となることはできません。詳細は下記解説をご参照ください。
[解説]
青色事業専従者給与制度とは、青色申告の承認を受けている納税者と生計を一にする配偶者その他の親族(※1)で、その納税者の営む事業に従事する人(青色事業専従者)が、その事業から所定の届出書(青色事業専従者給与に関する届出書)に記載されている金額の範囲内において給与の支払を受けた場合には、その給与支払額をその納税者の事業所得等の必要経費に算入(※2)し、かつ、その青色事業専従者のその年分の給与所得とする所得税法上の制度です。
※1 年齢15歳未満の人を除きます。
※2 必要経費に算入されるのは、その給与の金額のうち、その労務に従事した期間、労務の性質及びその提供の程度、その事業の種類及び規模、その事業と同種の事業でその規模が類似するものが支給する給与の状況等に照らし、その労務の対価として相当であると認められるものに限られます。
所得税法上、納税者の親族(配偶者を除きます)等でその納税者と生計を一にする人のうち、その年分の合計所得金額が62万円以下である人(※3)を「扶養親族」といいます。
その扶養親族のうち、年齢16歳以上の人を「控除対象扶養親族」といい、納税者が控除対象扶養親族を有する場合には、その納税者のその年分の金額から、その控除対象扶養親族1人につき、原則として38万円を控除すると定められています。
※3 その人の収入が給与のみである場合には、令和8年の年間給与収入が136万円以内(※4)であれば、令和8年分の合計所得金額は62万円以下となります。
※4 令和8年度税制改正では、扶養親族の合計所得金額要件は62万円以下(改正前:58万円以下)に引き上げられ、給与所得控除額の最低保証額を改正前の65万円から74万円(令和10年分以後は69万円)に引き上げられることとなりました。
所得税法上、上記2.の扶養親族からは、上記1.の青色事業専従者に該当する人で給与の支払を受ける人を除く、と定められています。
したがって、今回のご相談の場合、妹さんは令和8年中に青色事業専従者としての給与の支払を(1度でも)受けておられることから、ご相談者の令和8年分所得税の控除対象扶養親族となることはできないこととなります。
[参考]
所法2、57、84、所基通2-48、2-48の2、財務省「令和8年度税制改正の大綱」など